今週のポイント
今週のトルコリラ円は下値余地を探る場面がありそうです。やはり注目は、先週の米消費者物価指数(CPI)の発表後から始まったとみられている政府・日銀による円買い為替介入でしょう。本邦通貨当局がどの程度まで円高に持っていくつもりなのか、その本気度を測ることになります。特にこれまでの対ドルだけでなく、ユーロなど他通貨でも介入実施となれば、短期間であれ相場のセンチメントが変わるかもしれません。
トルコからは今週、特段のイベントは予定されていません。本日は「民主主義の日」で祝日ということもあり、流動性の薄さは念頭に置いておくべきでしょう。特にドルリラの動向には注意が必要です。先週後半に米金利先安観が強まったにもかかわらず、ドルリラは33リラ台に乗せてリラ最安値を更新しています。トルコ勢がほぼ不在のなかで、仕掛け的なリラ売りが持ち込まれるかもしれません。
ところで、トルコメディアによればシムシェキ財務相は先週、トルコ産業家・事業家協会の会議でインフレ見通しを語りました。足もとで71%台のインフレ率は、来月おそらく約60%に近づき、その翌月には50%まで低下すると具体的な数値を示しています。年末のインフレ率見通し38%に届かなかった場合でも、42%までには抑えられると述べました。
シムシェキ財務相を信じるとすれば、6月トルコ消費者物価指数(CPI)の発表後に一部で浮上した「秋口でのトルコ利下げ」への思惑も、徐々に高まっていくかもしれません。
リラ円のテクニカルでは、結局は200日移動平均線の上では重いことが確認されました。今週は先週末に割り込んだ日足一目均衡表・雲を巡る攻防が注目です。雲は4.80円を挟んで位置し、同じような水準には90日移動平均線も推移しています。
今週のリラ円の上値めどは8−10日に抑えられた4.92円と想定します。目先の下値めどは6月4日安値4.73円とし、割り込むと4月19日安値4.68円が次のポイントとなるでしょう。
今週の予定
15日 トルコ、「民主主義の日」で祝日
先週の指標結果
(結果) (予想)
5月トルコ経常収支 12.4億ドルの赤字 15.0億ドルの赤字
5月トルコ鉱工業生産 (前月比)+1.7% +3.8%
5月トルコ失業率 8.4% 前回 8.5%
先週のトルコリラ円の動向
先週のリラ円は4.90円台で伸び悩み、週後半にはドル円の急落とつれて4.80円を割り込みました。ドルリラのリラ最安値更新も重しとなり、週引けにかけて4.76円まで下値を広げています。
引用元:LIGHT FX