今週のポイント
今週トルコは昨日から始まった犠牲祭の祝日が19日まで続きます。そのためリラ相場は流動性の薄さに気をつけながら、一定のレンジのなかで上下する展開が続くことになるでしょう。対円ではこれまで以上に、ドル円の方向性について行くと予想されます。
ドル円は先週の米日・金融政策イベントを通過し、今週は米国の経済指標で足もとの同国景気動向を見定めながらの値動きとなりそうです。週前半は6月NY連銀製造業景気指数や5月小売売上高、19日は米国も祝日、週後半に5月住宅関連指標や6月フィリー連銀製造業景気指数、週末には6月購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表されます。
また日銀が金融正常化に踏み出しつつあるなかで、東京時間は本邦金利動向にも目を向けておく必要があるでしょう。先週の日銀会合の会見で植田日銀総裁は来月会合での利上げの可能性を示唆し、国債買い入れ減額が相応の規模になると言及しました。
ほか、欧州発のリスクにも要警戒です。欧州議会選を終え、仏独などの主要国で極右政党が躍進しました。極右勢力は選挙で欧州連合(EU)離脱という訴えは取り下げていたものの、懐疑的な見方をしていることに変わりありません。今のところ、トルコへの影響は未知数です。しかしながら、EU加盟国の足並みの乱れから経済混乱が懸念されるようだと、同地域に頼るところが大きいトルコの通貨リラは買いづらくなるでしょう。
また、15日までイタリアで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、ウクライナを擁護する姿勢が再び確認されました。西側対ロシアの構図が鮮明になるなか、どちらにも付きたいトルコの外交バランスが問われます。
今週のリラ円は、4月29日高値4.91円を超えるようだと節目5円が意識されます。下値めどは5月3日安値4.69円を見込みます。
今週の予定
17日−19日 犠牲祭の祝日
先週の指標結果
(結果) (予想)
4月トルコ経常収支 52.9億ドルの赤字 61.0億ドルの赤字
4月トルコ失業率 8.5% (前回)8.6%
4月トルコ鉱工業生産 (前月比)-4.9% (前回) -0.3%
先週のトルコリラ円の動向
先週のリラ円は、底堅いドル円にも支えられて週前半は4.80円台でしっかりした値動きでした。しかしながら、週後半は欧州株安を嫌気して伸び悩み、週引け前には4.80円を一時割り込みました。
引用元:LIGHT FX