今週のポイント
今週は夏休みに入る本邦金融機関も多いため、先週の乱高下でかなり薄くなった円相場の流動性は更に悪くなる可能性があります。トルコリラ円は先週記録した過去最安値4.24円は常に念頭に置きながらの取引となるでしょう。
複数の経済指標を確かめ、リスクセンチメントの強弱を見極めることになります。まず日本からは13日に7月国内企業物価指数、15日に4−6月期実質国内総生産(GDP)が発表されます。企業物価指数は前年比予想3.1%と前回から0.2ポイント加速、GDPは年率換算で前四半期が-2.9%だったところから2%超えまで上振れる見込みです。
先週、内田日銀副総裁の発言がハト派的と受け取られたものの、「経済や物価が見通しに沿って展開していくなら、金融緩和度合いの調整が必要」との見解も示しました。また、自身の考えは植田総裁と同じだと言うことも強調。「市場が不安定なままでは利上げしない」とはしても、指標結果次第では年末にかけて引き締めに対する思惑が高まるかもしれません。
米国発の材料では、14日の7月消費者物価指数(CPI)が最大の注目となります。先週前半に急速に高まった米金利先安観ですが、週後半にかけては落ち着きを取り戻しました。ただ、現状は米金融当局がいつ利下げするのかよりも、どの程度の幅で利下げを続けるのかを探る展開です。CPIの結果次第でドル円はかなり荒い値動きが予想され、リラ円もそれに追随することになるでしょう。
トルコからは、6月経常収支がどの程度まで改善されているかを確認することになります。インフレも鈍化しており、財政・金融の正常化が進んでいるとなれば、リラにとっても悪い話ではありません。
リラ円の上値めどは5・71日高値4.41円を超えると2日高値4.51円を想定します。下値は5日記録した最安値4.24円が注視され、割り込むと節目4円が意識されるでしょう。
今週の予定
12日 6月トルコ失業率(前回 8.4%)
13日 6月トルコ経常収支(前回 12.4億ドルの赤字)
先週の指標結果
(結果) (予想)
7月トルコCPI(前月比) +3.23% +3.45%
7月トルコCPI(前年比) +61.78% +62.10%
6月トルコ鉱工業生産(前月比) 前回 +1.70%
先週のトルコリラ円の動向
先週のリラ円も売りが先行し、過去最安値を4.24円まで更新しました。円キャリートレードの解消が一気に進み、株の暴落も嫌気されて円高に大きく振れました。市場が落ち着きを取り戻した場面でも、戻しは4.41円まででした。
引用元:LIGHT FX