今週のポイント
今週のトルコリラ円は下値を固められるかどうかの正念場となりそうです。先週は、石破・新首相が早期利下げに否定的な見解を示したことをきっかけに、円売り戻しが進みました。トルコと地理的に近い「イランとイスラエル」の対立激化でリラ安に傾く場面もありましたが、日経平均の強含みとともに反発。今月下旬の総選挙を控えて、石破政権は市場フレンドリーな姿勢をとることが見込まれ、日本発のリスクに対する警戒感はかなり薄らいだままではないでしょうか。
トルコ中銀の早期利下げ観測が後退したこともリラの支えとなっています。9月トルコ消費者物価指数(CPI)は前年比49%台と、市場が見込んでいたほど低下幅は広がりませんでした。カラハン中銀総裁もインフレ上振れリスクに言及し、過度な緩和期待に釘を刺しました。ほか、中銀の外貨準備高が順調に拡大していることも、トルコの信用度を高めるものとなっています。
リラ円の方向性に多大な影響を与えるドル円は、米国発の材料で動意付くことになるでしょう。9日(日本時間10日)に9月17-18日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、翌10日には9月米CPI、11日に同月卸売物価指数(PPI)が発表されます。米利下げペースは鈍るとの見方が広がっていますが、結果次第では市場の思惑も変わり、ドル円も値幅を伴う動きとなるかもしれません。
ほか、イランとイスラエルを巡る地政学リスクの強弱も目を向けておく必要があります。トルコは反イスラエルの姿勢を強めており、北大西洋条約機構(NATO)に加盟しているため火の粉はかかってこないでしょうが、何かしら巻き込まれる可能性はあります。
今週のリラ円は8月15・16日高値4.43円を上値めどとし、下値は9月16日安値4.11円を下値めどと想定します。
今週の予定
10日 8月トルコ失業率(前回 8.8%)
10日 8月トルコ鉱工業生産(前回 +0.4%)
11日 8月トルコ経常収支(前回 5.7億ドルの黒字)
先週の指標結果
(結果) (予想)
9月トルコCPI(前月比) +2.97% +2.20%
9月トルコCPI(前年比) +49.38% +48.30%
9月トルコ製造業PMI 44.3 前回 47.8
先週のトルコリラ円の動向
先週のリラ円は前週の石破ショックの影響を引き継ぎ売り先行も、4.20円割れでは下げ止まりました。石破政権への警戒感が緩むと株高も支えに水準を切り上げる展開に。4.30円で一旦は抑えられましたが、強い9月米雇用統計を受けてドル円が急騰すると、つれて4.34円まで上昇して週を終えました。
引用元:LIGHT FX