今週のポイント:9/9~

今週のポイント

 今週のトルコリラ円は節目4円を意識しながらの値動きとなりそうです。トルコの超インフレが緩和しつつあるなか、金融正常化への評価も高まっています。そのためドルリラは落ち着きを取り戻しつつあるものの、まだ積極的なリラ買いにまでは至っていません。先週もリラ円はドル円に振り回されましたが、今週も同じような展開が想定されます。

 先週発表された8月トルコ消費者物価指数(CPI)は前年比52%割れと昨年7月以来の水準まで減速しました。月次の食品インフレ率は約4年ぶりのマイナスに転じる結果となり、シムシェキ・トルコ財務相はディスインフレが顕著になっていると強調。財務相は年末にかけてもインフレは低下し、中銀のインフレ目標38%以内に収まると強気な見方です。

 当局予想に沿ったインフレ動向であれば久しぶりの実質金利プラス回復も見えてきます。こちらは、リラの買いづらさを取り除く材料でしょう。しかしながら他のG20諸国と比べると、ハイパーインフレのアルゼンチンを除き、トルコのインフレ水準は際立って高いことが分かります。それを考えると、正常な経済成長にはまだ時間がかかりそうです。

 ところでトルコは今月初め、BRICSへの加盟を正式に申請しました。西側諸国への不満が根っこにあるようですが、世界のパワーバランスが変化しつつあるなか、新たな国際秩序に乗り遅れないために必死なのでしょう。10月下旬のBRICS首脳会議には、エルドアン・トルコ大統領も参加すると報じられています。トルコの行動に対する欧米サイドの反応にも今後は注目です。

 今週のリラ円は2・3日高値4.33円を上値めどとし、超えると8月15・16日高値4.43円が意識されます。下値めどは節目の4円を想定します。

今週の予定

 10日 7月トルコ鉱工業生産(前回、前月比-2.1%)
 10日 7月トルコ失業率(前回、9.2%)
 12日 7月トルコ経常収支(前回、4.1億ドルの黒字)

先週の指標結果

              (結果)   (予想)
8月トルコCPI(前月比)   2.47%    2.29%
8月トルコCPI(前年比)   51.97%   51.86%
4-6月期トルコGDP(前年比) +2.5%   +3.2%
8月トルコ製造業PMI     47.8     前回 47.2

先週のトルコリラ円の動向

 先週前半のリラ円は底堅く始まりましたが、上値は4.33円まででした。リスクセンチメント悪化を背景に円買いが強まると4.20円割れまで下落し、週引けにかけては4.17円まで下値を広げました。

引用元:LIGHT FX