今週のポイント:8/26~

今週のポイント

 今週のトルコリラ円も下値への警戒感は高まったままでしょう。先週はトルコ中銀が予想通りに政策金利を50.00%で維持し、声明もタカ派スタンスを維持しました。しかしながら、リラは対ドルで売り圧力が強まりました。一方、米金利先安観を背景にドル円が弱含み、リラ円は過去最安値4.23円を記録しました。

 リラの地合いの弱さに繋がった要因の1つが、シムシェキ・トルコ財務相が辞任するとの噂です。2023年5月のエルドアン・トルコ大統領の再選後、財務相に指名されたシムシェキ氏は財政・金融の正常化を積極的に進めてきました。外国人投資家からのトルコ信用度の回復は財務相の手腕によるところも大きく、噂ベースであってもリラにとっては重しとなりました。

 シムシェキ財務相は週末、自身のXアカウントで辞任を否定しました。捏造記事によって経済や市場に影響があることは決して許されないと述べています。経常赤字の縮小、中銀の外貨準備高の改善、インフレ低下が始まっていることなど、正しい方向にトルコが向かっていることを強調しています。

 野党議員のSNS投稿で財務相辞任の噂が広がったようであり、当局は虚偽の情報流布で投資家を欺いた可能性があるとし、議員のアカウントの調査を開始しています。それとも単純に噂だけで終わるのか、「火のないところに煙は立たない」ということなのか、今週も関連報道が注目されます。

 リラ円の方向性に大きく関連するドル円ですが、多数予定されている米経済指標の結果を確認しながらの動きとなりそうです。週後半の週間の失業データや7月PCEデフレーターなどが注目されます。年末にかけて米利下げのスピードが加速するような思惑が強まれば、ドル円の下値余地も広がるでしょう。

 リラ円の上値めどは2日高値4.51円、下値めどは節目の4円を想定します。

今週の予定

 28日 7月貿易収支(前回 58.7億ドルの赤字)
 30日 戦勝記念日(勝利の日)でトルコ祝日

先週の指標結果

           (結果)      (予想)
トルコ中銀 政策金利 50.00%で据え置き 50.00%で据え置き

先週のトルコリラ円の動向

 先週のリラ円は週初につけた4.39円を上値に軟調に推移しました。米雇用統計の下方修正や米金利先安観を背景にドル円が弱含み、リラ円もつれた動きとなりました。シムシェキ財務相辞任との噂もリラ売りに繋がりました。週引けにかけては5日安値4.24円を割り込み、4.23円まで過去最安値を更新しました。

引用元:LIGHT FX