今週のポイント
今週のトルコリラ円はまず、本日発表される7月トルコ消費者物価指数(CPI)が注目です。前回は市場予想を下回ったものの、それでも前年比71%台と70%を超えた水準でした。一方今回は、同比62%前後まで減速が見込まれています。シムシェキ財務相が繰り返し述べていた「秋口からのディスインフレの強まり」が現実味を帯びてきそうです。ただし、CPI前月比が3%超え予想というのが気になるところではあります。
質金利マイナス幅の縮小が顕著となれば、リラにとってはプラス材料でしょう。しかしながら、早期利下げ観測がどの程度まで高まるかには注意が必要です。欧米金融機関から金融政策見通しが発表されると思われ、関連報道を確かめながらの取引となります。
リラ円は先週、円高の流れが加速するなか4.40円まで史上最安値を更新しました。日銀金融イベント前から進んだ円キャリートレード(低金利の円で調達し、高金利通貨で運用)の巻き戻しに抗うことはできませんでした。週明けも円買いが先行し、4.40円を割り込んでいます。市場は年末にかけての日銀・追加利上げも視野に入れ始めており、金利先安観が強まる他の主要先進国とのディカップリングが明白です。積極的な円売りという流れに戻るには時間がかかるのではないでしょうか。
米長期金利の低下にもかかわらず、ドル高リラ安基調が強まったこともリラ円の重しとなりました。トルコ政府による法人税改正が同国経済活動の停滞を懸念させ、リラの買いづらさに繋がっているようです。また、イスラエルに絡んだ地政学リスクの強まりも、同じ地域のトルコにとってはネガティブ材料です。
リラ円の上値めどは1日安値4.55円、下値は止まったところが目先の支持水準という状況であり、節目4円が意識されつつあります。
今週の予定
5日 7月トルコ消費者物価指数(CPI、前回 前月比1.64% 前年比71.60%)
9日 6月トルコ鉱工業生産(前月比、前回 1.7%)
先週の指標結果
(結果) (予想)
6月トルコ貿易収支 58.7億ドルの赤字 64.0億ドルの赤字
7月トルコ製造業PMI 47.2 前回 47.9
先週のトルコリラ円の動向
先週のリラ円は、4.69円を戻りの高値に週引けにかけて4.40円まで下落しました。日銀が金融正常化に向けて踏み出したことが円買いを誘い、世界株安も重しとなりました。
引用元:LIGHT FX