今週のポイント
今週はトルコから複数の経済指標が予定されているものの、より重要なのは日米の金融政策でしょう。特に日銀会合や植田総裁の定例会見にはいつも以上に注目が集まりそうです。
というのも、先週後半にかけて「日銀の正常化観測」が高まり、それを受けて円キャリートレード(低金利の円で調達し、外貨に換えて運用)の巻き戻しが大きく進んだからです。
しかしながら、日銀金融政策決定会合がタカ派一色に染まるとは考えられず、もし利上げが決定されたとしても「小幅な上げ幅」に留まる可能性は否定できません。正常化に向けて慎重な姿勢と市場に受けとめられるようだと、円売り再燃はあり得るでしょう。
いずれにせよ、会合結果がでるであろう31日昼過ぎから総裁会見が終了する夕方に円相場は新たな方向性を見出すかもしれません。それまでの週前半は、不安定な動きを繰り返すことになるでしょう。
日本時間8月1日未明に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)については、政策金利は据え置きがほぼ確実視されています。9月利上げのコンセンサスが固まるなかで、声明でタカ派的な文言が省かれるのではないでしょうか。緩和に向けた地ならしが目的の会合となりそうです。
先々週末の大手格付け会社ムーディーズによる2ノッチのトルコ格上げ、23日のトルコ中銀のタカ派的なスタンス維持にもかかわらず、先週のトルコリラは上値が重い展開でした。今週も外部要因で上下に振らされる展開が想定されます。
リラ円の上値めどは19−23日高値4.77円を想定します。下値は3月半ばに支えられた4.50円台が意識されるでしょう。
今週の予定
7月31日 6月トルコ貿易収支(前回 65億ドルの赤字)
8月1日 7月トルコ製造業PMI(前回 47.9)
先週の指標結果
トルコ中銀、政策金利 50%で据え置き
先週のトルコリラ円の動向
先週のリラ円は、前週末のムーディーズによる想定以上のトルコ格上げを受けて4.70円台で底堅く始まりました。しかしながら、日銀の利上げへの思惑から全般強まった円買い戻しの動きに抗えませんでした。ドル円が152円割れまで下落すると、4.59円までリラ安円高を記録しました。週引けにかけては円高が一服し、4.60円台で下値を切り上げています。
引用元:LIGHT FX