今週のポイント
今週のトルコリラ円は円相場全般の動向を見据えながら、4.90円台でジワリと水準を切り下げてきた200日移動平均線を巡る攻防を想定します。先週発表されたトルコのインフレ指標を受けて、一部では秋口にトルコ中銀が利下げに踏み切るとの予想も浮上してきました。こちらに対する思惑やトルコ金融市場の反応にも目を向ける必要があるでしょう。
6月トルコCPIは前年比71%台と前回から低下し、市場予想値よりも下回りました。結果を背景に米大手投資銀行のゴールドマンサックスは、9月会合で中銀が緩和に転じる可能性があるとの見通しを示しました。しかしながら、カラハン中銀総裁は先週後半、中銀が望むディスインフレ路線に回帰するまでの道のりは長い、という考えを示しています。
今週はトルコからは5月の鉱工業生産や経常収支などの経済指標が発表され、それぞれ大きく改善が見込まれています。しかしながら金融市場で最も注目され、リラ相場にも影響を与えるのは週後半の米国のインフレ指標でしょう。
11日の6月米消費者物価指数(CPI)は前月比が前回を若干上回ると見込まれているものの、前年比では減速予想です。先週発表された同月雇用データで平均時給の鈍化が確認され、米長期金利に低下圧力がかかりました。そういった中でインフレ低下基調が確認されれば、リラ円の方向性に繋がるドル円の下向き調整が進むかもしれません。
他にはフランス総選挙の結果を受けたリスクセンチメントの強弱も、円相場にとっては見定める必要があるでしょう。
今週のリラ円は先週届かなかった節目5円を目先の上値めどとし、超えるようだと昨年12月前半に頭を抑えられた5.10円が意識されるでしょう。下値は6月14日安値4.79円付近を支持水準と想定します。
今週の予定
10日 5月トルコ鉱工業生産(前回 前月比-4.9%)
10日 5月失業率(前回 8.5%)
12日 5月経常収支(52.9億ドルの赤字)
先週の指標結果
(結果) (予想)
6月トルコ製造業PMI 47.9 前回 48.4
6月トルコCPI(前月比) +1.64% +2.22%
6月トルコCPI(前年比) +71.60% +72.60%
先週のトルコリラ円の動向
先週のリラ円は強まった円安の流れに歩調を合わせ、4.90円台で買いが先行しました。200日移動平均線を超えて上値を伸ばし、一時4.98円まで上げ幅を拡大しました。ただ週後半は伸び悩んだドル円に引きずられて上値を切り下げました。
引用元:LIGHT FX