今週のポイント
今週のトルコリラ円は、1986年以来の円安水準を記録したドル円の動向を睨みながら、週半ばに発表される6月トルコ消費者物価指数(CPI)を確認することになります。また、週末に明らかにされる米雇用統計の6月分にも目を向ける必要があるでしょう。
ドル円については、本邦通貨当局の動向が注目です。市場参加者に円買い介入の効果を疑われる中、当局の本気度が問われることになります。円安けん制の発言だけではどうしようもなく、実弾投入のタイミングがポイントになってきました。また、円安抑制のために日銀の追加利上げ幅や国債買い入れ減額拡大に関する発言や観測報道も目立つかもしれません。
3日発表される6月トルコCPIは前回5月分(前月比3.37%、前年比75.45%)からの減速が見込まれています。しかしながら、それでも前年比は70%を超えた水準がほぼ確実視されています。シムシェキ財務相が繰り返し述べているインフレ低下まで、まだ少し時間が掛かりそうです。
なお先週の金融政策委員会(MPC)で政策金利据え置きを決めたトルコ中銀は、引き続きインフレリスクに最新の注意を払うと表明しました。一方で、「今年後半にはディスインフレが定着するだろう」とも言及し、先行きに関しては財務相に歩調を合わせています。
ところで複数のトルコ政府高官が先週、今年後半に月間最低賃金の引き上げは行わないと述べました。国民の不満を高める内容ですが、インフレ抑制を優先している政府の対応を金融市場は好感したようです。今週はトルコ政府による包括的な税制について、市場がどのように判断するかが注目されます。
今週のリラ円は週初に4.93円まで下がってきた200日移動平均線を念頭に、上値は節目5円が意識されます。下値めどは6月14日安値4.79円付近を支持水準と想定します。
今週の予定
1日 トルコ製造業PMI(前回 48.4)
3日 6月トルコCPI(前回 前月比3.37%、前年比75.45%)
先週の指標結果
トルコ中銀、政策金利発表 50.00%で据え置き
5月トルコ貿易収支 65.0億ドルの赤字
先週のトルコリラ円の動向
先週のリラ円は前半は4.80円台で伸び悩みましたが、週引けにかけては上値を試す展開となりました。4月29日高値4.91円を上回り、4.92円まで上げ幅を拡大しています。堅調なドル円に支えられ、対ドルでリラが買い戻された影響を受けました。
引用元:LIGHT FX