今週のポイント
今週のトルコリラ円は、まず本日発表されるトルコ消費者物価指数(CPI)を確かめての取引です。その後は基本的に、米日の金融政策発表を来週に控えたドル円を追随することになりそうです。
欧州序盤に発表される5月トルコCPIは、前年比74%台と22年後半以来の高い水準まで加速が見込まれています。もっとも、政府高官や金融当局者は5月インフレピークに自信を持っており、更にシムシェキ財務相は先週、9月時点で40%台まで減速する可能性があるとの見解を示しました。
シムシェキ氏の言葉は期待先行かもしれませんが、思惑通りとなれば、実質金利が久しぶりにプラスということもあり得そうです。トルコ中銀は前回のインフレレポートで年末予想38%を示していました。まだ先の話ですが、インフレ減速が現実味を帯びてくれば、トルコへの資金回帰が進むかもしれません。
先週トルコ中銀が公表した週間データによれば、24日時点のネット外貨準備高は前週比65.1億ドル増の403.5億ドルとなりました。昨年12月以来の高い水準であり、海外からトルコへの資金流入が拡大し続けていることを示唆しています。一時失墜していた中銀に対する信用度も高まっており、通貨リラの印象の良さにも繋がっています。
今週は米国から複数の景気指標や雇用データが発表されます。米連邦公開市場委員会(FOMC)を11−12日に控えて、金融当局者が政策関連の発言を自粛するブラックアウト機関が1日から始まりました。米利下げ開始時期の後ずれが確実視されてはいるものの、米指標を受けたリスクセンチメントの強弱で為替相場も上下する局面はあるでしょう。
今週のリラ円は、4月29日高値4.91円を超えるようだと節目5円が意識されます。下値は16日安値4.75円をめどと想定します。
今週の予定
3日 5月トルコCPI(前回 前月比3.18%、前年比69.80%)
3日 5月トルコ製造業PMI(前回 49.3)
先週の指標結果
(結果) (予想)
1-3月期トルコGDP(前年比) 5.7% 5.7%
4月トルコ貿易収支 98.6億ドルの赤字 99.0億ドルの赤字
先週のトルコリラ円の動向
先週のリラ円は4.80円台で買いが先行し、1カ月ぶりの高値となる4.89円まで上昇しました。その後、株安を背景にリスク回避の円買いが強まると4.83円まで緩みましたが、週末にかけて再び下値を切り上げました。
引用元:LIGHT FX