今週のポイント
今週のトルコリラ円は、週半ばまではトルコと日銀の金融政策に対する思惑で上下することになるでしょう。その後は23日にトルコ中銀、24日には日銀の政策決定への反応が注目されます。
トルコ中銀については、足もとのインフレ率が44%台まで低下したこともあり、追加利下げへの思惑が高まっています。主要政策金利については、現行47.5%から45.00%と2会合連続で2.50%の引き下げ幅を見込む予想が多数派を占めてきました。一応、実質金利プラス幅を維持する形ではあり、金融正常化に反していないようには見えます。
今後は、選挙結果を受けて石破首相がどのような対応を取っていくかが焦点となります。政局が混乱するようであれば、経済にとっても悪影響と捉えられて日本株が軟調に推移する可能性も出てくるでしょう。そうなると、リスク回避の円買いに傾く場面があるかもしれません。
とはいえ、金融政策の方向性の違いを背景としたドル高リラ安の流れが更に強まる可能性は否定できません。米金利は先週後半に上昇幅を縮めましたが、トランプ新政権が進める政策で米インフレ上振れへの懸念が燻るなか金利先高観は拭えません。ドル円が大きく反発しない限りは、リラ円の上値の伸びは限定的かもしれません。
日銀会合については利上げを話し合うのは確実であり、先週の日銀副総裁や総裁の話を聞く限り、政策金利引き上げの可能性は高そうです。ただし、円高や日本株安が進み過ぎるようだと、発表前に過度な織り込みを冷やすような観測記事が日銀サイドから出されるかもしれません。
会合後の会見で植田日銀総裁が、前回12月会合から何が変わったのかをどのように説明するか、また次の一手についても言及するかも注目です。もしハト派的な利上げと受けとめられるようだと、円売りが再燃となるでしょう
今週リラ円の上値めどは7日から10日まで4日連続でつけた4.48円とし、超えると5.53円まで低下してきた200日移動平均線が次の目標値。下値めどは昨年12月11・12日安値4.34円を想定します。割り込むと12月初旬以来の4.30円台割れが視野に入ってきます。
今週の予定
23日 トルコ中銀、政策金利発表(前回 50%から47.50%に引き下げ)
先週の指標結果
(結果) (予想)
11月トルコ経常収支 -28.7億ドル、 -31.0億ドル
先週のトルコリラ円の動向
先週のリラ円は暫く4.40円台で伸び悩み、週後半には約1カ月ぶりの安値となる4.36円まで弱含みました。日銀利上げ観測の高まりから円買いが進みました。もっとも、週末にかけてドル円が持ち直すと、リラ円も4.40円台を回復して終えています。
引用元:LIGHT FX