
今週のポイント
今週のトルコリラ円も先週の流れを引き継ぎ、戻りの鈍い展開が予想されます。トランプ氏が米大統領に正式就任し、(諸々と懸念材料はあるものの)新政権の政策期待から先週の株式市場は上昇しました。リスクオンの流れで強含むクロス円は多かったのですが、リラ円の上値は重いままでした。日銀の金融イベントを通過してドル円が反発する場面でも4.40円にも届きませんでした。
ドルリラのリラ安基調は相変わらず続いており、リラ円の上昇力の弱さにも繋がっています。トルコ中銀は外貨準備高を着実に積み増し、これ自体は中銀の信用度を上げているとはいえ、「為替市場でリラ防衛策は実施せず」を示唆していることになります。また当局は、「リラ預金の為替による目減りを補填する仕組み」を今後は終了する方針を示し、そうなると外貨に向かう動きが更に強まってしまうでしょう。
先週トルコ中銀は主要政策金利を2.5%引き下げ、45.00%にすることを決定しました。2会合連続の利下げは予想通りではありますが、中銀は声明でインフレ鈍化が年末まで続く見通しを明らかにし、暫くは緩和姿勢を維持するとの市場の見方が強まりました。一方、利上げを決定した日銀は、更なる金利引き上げについても含みを持たせています。中銀の方向性の差も、単純にリラ売り円買いを促してしまいそうです。
今週の金融市場のメインイベントはやはり、米連邦公開市場委員会(FOMC)とパウエル米連邦準備理事会(FRB)の定例会見でしょう。トランプ大統領の政策がインフレにどの程度影響を与えるか測り切れていないため、金融当局者の判断も今後は難しくなりそうです。結果(日本時間30日未明)を受けてドル円は右往左往しそうであり、リラ円も不安定に上下するでしょう。
今週リラ円の目先の上値めどは20日高値4.41円、上抜けると14日高値4.46円を想定します。下値は12月5・6日安値4.29円がまず意識される水準です。
今週の予定
31日 12月トルコ貿易収支(前回 74.6億ドルの赤字)
先週の指標結果
(結果) (予想)
トルコ中銀、政策金利 47.50%から45.00%に引き下げ 45.00%に引き下げり
先週のトルコリラ円の動向
先週のリラ円は週初につけた4.41円を頭に4.30円台で伸び悩みました。週末にかけては、4.33円まで下値を広げる場面がありました。
引用元:LIGHT FX